2009年11月8日日曜日

エリック・リデル

映画『炎のランナー』のもう一人の主役である。
プロテスタント宣教師、スコットランドラグビー代表というスポーツマン。
何より彼を有名にしたのは1924年のパリ五輪の百メートル走で、決勝戦が日曜日と重なるため棄権した事である。彼はひとりのスポーツマンより信仰に生きる宣教師だったのだ。
このことは英国内で物議をかもしたが、映画の通り四百メートルで金メダルを獲得したことにより信念の人として名声を得る。
残念なのは、布教活動で訪れていた中国で戦争に巻き込まれて、日本軍抑留中にガンで亡くなった事である。

2009年6月7日日曜日

ベアトリーチェ・チェンチ


はかなく美しい少女の肖像画である。
モデルは『ベアトリーチェ・チェンチ』という名前である。
彼女はイタリアの大貴族・フランチェスコ・チェンチの娘である。
父・フランチェスコは暴力的気質を持ち、二人の息子や母をリンチしたり挙げ句には、べアトリーチェを近親相姦したり、教区の裁判官ともめたりと俗にいう超DQNである。
それでも許されてきたのは大貴族の財力と政治力の所以だろう。

父の横暴さに恐怖の日々をおくっていたベアトリーチェと家族だったが、ある日恋人の使用人とともに父に麻薬(毒)を飲ませようとして失敗。
その後、杭と金槌で父を打ち殺した・・。

ベアトリーチェ達は「父は自殺した」と主張するも死体痕から認められず、恋人の使用人ともう一人の使用人が拷問を受ける。恋人の使用人は自白しないまま死んでいったが、もう一人が自白した。
これに対し、時の教皇・クレメンス8世は一切の慈悲をしめさなかった。
これよりチェンチ家の領地・財産は没収され、家族は全員死罪となる。

この肖像画は刑が執行される前にグレド・レーニによって描かれたものである。